STEP 1735 — Quantum frontier claim ledger (spec §2 逐語 site 化)

2026-09-04 (JST) · rei-aios tab rei-aios-20 STEP 1735 land · Spec: data/tabs/rei-aios-f9/quantum-frontier-spike/spec-v0.1.md §2 · Predecessor: STEP 1733 v0.3

Land 内容: CLAIM LEDGER SPEC §2 逐語 NO NOVELTY CLAIM
Layer 2「4 方式」について その実験が establish できる命題 / できない命題 を 分離した表を公開する。以後の全 arc の主張文をこの表で規律するのが目的。 予算を投じる前に主張を縮小しておくため、summary ではなく spec §2 の粒度 を保持する。

0. 前提の訂正 — 「シャノンを超える」は誤り

4 方式のいずれも シャノンの定理を破っていない。破っているのは公理ではなく リソースモデル(何を無料で使えるとするか) である。前タブの「Layer 2 = 見かけ上超える」 という語は本 spec で撤回されている。

宣言するもの引かれる限界
Layer 1(R(D~), STEP 1729/1732/1733) 情報源側の同値関係 ~ 商空間に対する R(D~)
Layer 2(本 ledger の 4 方式) チャネル側の追加リソース そのリソース込みの容量

どちらも「限界を 1 本増やす」。「超える」は両方について誤り

1. 引用の訂正(前タブ arXiv ID)

arXiv ID 訂正 — 前タブは Ebler–Salek–Chiribella 2018 を arXiv:1809.06655 と記載したが、 これは Salek–Ebler–Chiribella Quantum communication in a superposition of causal orders(別論文)。 正しくは arXiv:1711.10165 = Ebler, Salek, Chiribella, Enhanced communication with the assistance of indefinite causal order, PRL 120, 120502 (2018)。 Aharonov et al. 2016 の arXiv:1407.3194 は正しい(PNAS 2016)。

2. Claim ledger(spec §2 逐語)

各行は「この実験/形式化が 成立させられる命題」と「成立させられない命題」の対。 実装に進む方式は、右列を site page と commit message に明示的に書くことを land 条件とする。

2.1 方式 1 — Quantum pigeonhole(Aharonov et al. 2016, arXiv:1407.3194)

establish できる 事前選択・事後選択された 3 粒子系について、弱測定で得られる弱値が、古典的な「同箱ペアが少なくとも 1 組存在する」 という言明と整合しない形で分布すること。classical simulator でこの統計を再現できること。
establish できない ①計数原理そのものの反例であること。弱値は同時可観測量の測定結果ではなく、反事実的言明である。 ②通信容量の増分。増分は 0 bit。 ③シャノン限界に対する含意。
未解決の争点 「量子力学は鳩計数原理を破らない」とする反論群が存在し(arXiv:2103.09570 ほか、 Phys. Lett. A 2020–2021 の応酬)、この点は現在も文献上決着していない。 したがって本 spike は「破った」側にも「破っていない」側にも立たない。
Rei stack での正当な位置 D-FUMT₈ の BOTH / NEITHER に対する semantic proxy。それ以上の主張は持たせない。

2.2 方式 2 — Quantum switch / ICO(Ebler–Salek–Chiribella, arXiv:1711.10165)

establish できる ①2 本の完全脱分極チャネルを、順序を量子制御して直列適用すると、古典的にはゼロである容量が正になること (定理として既知)。 ②その回路を実機で走らせ、ハードウェアノイズ下でも活性化が観測されること。 ③実測値と理論値の乖離。
establish できない IBM Heron r2 上の回路は因果順序が確定している。 制御量子ビットでゲート適用順を重ね合わせる回路であり、process matrix の意味での causal nonseparability ではない。「Heron r2 で ICO を実証」は成立しない。 ②利得の原因が ICO であること。coherent control で説明できることが示されている (Abbott–Wechs–Horsman–Mhalla–Branciard, arXiv:1810.09826, Quantum 4, 333 (2020))。
追加で必要な条件 脱分極チャネルは Heron のノイズでは代用できない。Pauli twirl で意図的に注入する必要がある。 その結果、実験の実体は「数値シミュレーション + ハードウェアノイズ」であり、その旨を明記する。
縮小後の主張文(land 時に逐語使用)
「coherently-controlled channel order による容量活性化の実機再現。 indefinite causal order の実証ではない。」

2.3 方式 3 — 相対化コルモゴロフ複雑性 KO

establish できる KO(x) ≪ K(x) となる x が存在すること。Lean 4 での oracle 相対化の型レベル定義。
establish できない 新規性。KO ≪ K は定理であって frontier ではない。 停止性オラクルは物理的に実現できないため、実測 evidence は原理的に得られない。
判定 DEFER 形式化は安全だが得られるのは既知命題。優先度低。

2.4 方式 4 — Banach–Tarski / 非可測集合

establish できる (情報理論の文脈では)何もない。
establish できない 情報理論的含意の全て。シャノンエントロピーは選択公理を要求せず、 非可測分割はビットを運ばない。
判定 DEFER は正解 Rei の Lean 4 axiom-free discipline(Classical.choice 不使用、 propext + Quot.sound 内側限定)との衝突は defer の理由として二次的で、 一次的な理由は「情報理論的な内容が最初から無い」ことである。 意味 slot(NEITHER + INFINITY)の semantic proxy に留める。

3. Anti-hill-climb discipline(spec §7 逐語)

Pattern誘惑Prevention
J(新規) 「実機で走らせた」を「実機で実証した」と書き換える誘惑。 走らせたのは §2.2 の通り因果順序が確定した回路である。ICO の実証ではない。
K(新規) 反論文献(arXiv:1810.09826、鳩の巣側は arXiv:2103.09570 ほか)を「少数説だから」と落とす誘惑。 両方引くことを land 条件とする(spec §4.4)。
L(新規) savings 単独報告への回帰。 spec §5.3 の 4 項目が入るまで R(D~) という語を新しい成果物のタイトルに使わない。

4. 外部文献

5. Cross-references

Failure mode 記録(未来 Claude 用) — 本 spec 自体が「4 方式のうち 2 つを defer し、 1 つを縮小し、残る優先度 1 位は Layer 2 ではなく Layer 1 だった」という結論に到達している。 この spec を読んだ未来 Claude が Layer 2 の novelty に引かれて §5 を後回しにすることが、 本 arc の主要な failure mode である。

Land: 2026-09-04 · commit hash はこの page の隣接 commit を参照 · Related: v0.4 = 4,140 分割全探索(STEP 1736 進行中) / 方式 2 実装(STEP 1737 defer)