RT-0 v1 — 読み出し判定テスト

Sep 18, 2026 · @Nobuki Fujimoto

表現系が「計算せずに答えを出している」と言えるかを判定するチェックリスト。v0 を組み紐図で較正した結果を反映した版。

目的と適用範囲

RT-0 は、ある表現系について「計算せずに答えを出している」と言えるかを判定する。合否を返す装置ではなく、記録票を埋める手続きである。

判定するもの:

判定しないもの:表現系の有用性、優雅さ、速度。速いことは読み出しであることを意味しない(較正の Gauss 閉形式を参照)。

有効性と新規性は別のピンで測る。PIN 6 だけが落ちた装置は、有効だが新しくない。

定義

表現系を三つ組 R = (L, wf, [[・]]) として扱う。

A は数の集合である必要はない。図の同値類、新しい記号、写像などでよい。ただし A 上の等号が決定可能でなければならない(PIN 1.5)。

読み出し器:問題インスタンスに対し、整形式な項が正答しか表さないとき、R をその問題クラスの読み出し器と呼ぶ。

部分性の 2 型

完全な読み出し器はまれで、実在する例はどちらかの意味で部分的である。v1 では 2 型を別の欄に記録する。

型 意味 代表例
縮小型 誤答空間を狭めるが一意化しない 次元解析(無次元係数が残る)
片側型 yes 側または no 側の一方だけに効く 組み紐図(yes 側のみ)

v0 では縮小率 ρ = 1 − log|W| / log|A|(W = [[wf⁻¹(1)]])を主軸に置いていた。しかし A が無限集合のとき定義できず、片側性も表現できない。v1 では ρ を補助指標に降ろし、A が有限のときだけ記入する。

入口条件(v1.0.1 で追加)

ピンを当てる前に、対象が RT-0 の対象かどうかを判定する。ここで外れた装置は「不合格」ではなく「対象外」である。 適用 01 で、読み出し器を名乗っていない判定器にかけても同じ「不合格」が返ってしまうことが分かったので追加した。

問い — この装置は、整形式性によって誤答を排除していると主張しているか。

判定の仕方 — 装置が誤った答えを出したとき、設計者がその原因をどう説明するかを考える。

対象外の装置にもピンを当てると有益な指摘が出ることがある(適用 01 では事前登録の下限漏れが見つかった)。その場合は結果を「参考適用」と明記し、合否として扱わない。

ピン一覧

9 本。適用順は安い順かつ落ちやすい順で、PIN 0 → 1 → 1.5 → 4 → 2 → 3a → 3b → 5 → 6。

PIN 問い 測り方 落ちる相手
0 問題と答えの分離 答えが入力の転写になっていないか 読み出し器が恒等写像になっていないか見る 問題設定の取り違え。ここを通さないと他の全ピンが自明に通る
1 誤答の表現不能性 誤答を表す整形式項を書けるか 具体的な誤答を取って書こうとする 自然言語論証。同じ言い回しで誤答も書ける
1.5 同一性判定 答え同士の等号が決定可能か 判定手続きを実装して走らせる 答えが図・新記号のとき。数値なら自明に通る
2 非空性 正答を表す整形式項が実在するか 各インスタンスで確かめる 「何も整形式でない」表現系。PIN 1 を自明に通す
3a wf のコスト 整形式判定は安いか 計算量を n の関数で出す 整形式判定が指数な型系
3b 読み出しのコスト 正規形化は直接解くより真に安いか 実測する。手続きごとに違う 計算を正規形化に移しただけの装置
4 前計算の非混入 表現系の記述長がインスタンス数に依存しないか 記述長を数える 前計算+表引き。他のピンを全部通る
5 被覆域の明示 成立しない最小例を挙げられるか 1 例出す 「万能」と答えた時点で不合格
6 合成との差分 既存手法の合成で出ない結論が出るか baseline を実際に組んで比べる 既存理論の言い換え。落ちても装置は有効、新規性だけが落ちる

主要な守りは 2 本である。PIN 1 が疑似数学を弾き、PIN 4 が表引きを弾く。表引きは PIN 4 以外の全ピンを通過するので、ここを省くと装置が無意味になる。

記録票

候補にかけたときはこの表を埋める。合否だけでなく、根拠の出所を書くのが v1 の要点である。

欄 記入内容
対象とする問題クラス 何を入力とし、何を答えとするか
答えの空間 A 有限か無限か
A のサイズ関数 記述長の測り方(交差数、次数など)。これを宣言しないと ρ* を比較できない
PIN 0 / 1 / 1.5 / 2 / 3a / 3b / 4 / 5 / 6 各々 合格・不合格・部分
片側性 τ 証拠長の非対称性。1 で両側、∞ で完全な片側
(σ_yes, σ_no) サイズ上界を固定したときの各側のカバー率(実測値)
誤答空間の縮小 ρ* 何が書けなくなったかを具体的に。無限の A ではフィルトレーション版
根拠の出所(PIN 1.5) 決定性が表現系の内から出たか、外から借りたか
読み出し手続き名(PIN 3b) どの正規形を使ったか。手続きで合否が変わる
実測コスト 入力サイズ別の実測値
被覆域の境界 成立しなくなる最小例
baseline 確定ログ(PIN 6) 条件で拾った既存手法の全件、除外したものとその理由、差分測定用の D を確定した時点

借り物の決定性は、被覆域を広げた瞬間に失われる。組み紐図がその実例である(絡み目に移すと正規形が消える)。

較正結果

既知の 11 例で各ピンが発火することを確認した。合格 3 例、部分合格 1 例、不合格 7 例。

対象 結果 発火したピン 備考
Galois 理論(冪根可解性) 合格 — 両側。根を一つも計算せずに不可能性を言う。被覆域は「冪根で解けるか」の一問
曲面の分類(種数) 合格 — 両側・縮小率最大。向き付け可能閉曲面のみ、高次元で崩れる
parametricity 合格 — 全ピン通過。ただし被覆域が極めて狭い
次元解析 部分合格 — 縮小型。無次元係数は決まらない
前計算+表引き 不合格 PIN 4 のみ 他のピンは全部通る
自然言語論証 不合格 PIN 1 「〜と考えれば自明」型
総和法を指定しない発散級数 不合格 PIN 1, PIN 1.5 何と何が等しいのかを定めないまま等号を使う
未解決量に記号を与える 不合格 PIN 1.5 閉じた関係がない。名前は答えではない
不可能性定理を無視した「解」 不合格 PIN 5 円積問題型。被覆域の境界を認めない
Gauss 閉形式 不合格 PIN 1 n(n−1)/2 と書いてしまう。速いが読み出しではない
組み紐図 不合格 PIN 3b, PIN 6 片側型。詳細は次節

較正から 3 点出た。

  1. 合否を二値にできない。 実在する成功例(次元解析)が既に部分的である。
  2. 真の評価軸は 2 次元である。 精度を上げるほど被覆域が狭くなる。これは偶然ではなく、答えの情報量からの帰結。
  3. 速いことと読み出しであることは別である。 Gauss 閉形式が落ちたのが最も分かりやすい。
  4. 合格例は例外なく被覆域が狭い。 Galois・種数・parametricity・次元解析の 4 例ともそうなっている。精度を上げた装置が広い被覆域を主張したとき、そこを疑う根拠になる。
  5. 不合格例はピンごとに分かれる。 言い換えで誤答も書ける型は PIN 1、答えの同一性が未定義な型は PIN 1.5、不可能性定理と衝突する型は PIN 5 が捕らえた。ピン分解が実際に分けているという確認になっている。

組み紐図の実測

v1 を生んだ較正。PIN 1.5 の較正素材として組み紐図を選んだところ、v0 の穴が 4 箇所出た。

問題設定を取り直した

当初「語 w → それが表す組み紐」を問題に取ったが、この設定では図は入力の転写であり、読み出し器が恒等写像になる。全ピンを自明に通過するのに中身がゼロ。PIN 0 はここから生まれた。

問題を「w₁ と w₂ は同じ組み紐か」に取り直して続行した。

PIN 1 — 片側のみ合格

yes 側は合格する。R2 / R3 移動の列が証拠で、各移動が合法なら組み紐類を保つので、異なるものを「等しい」と証明できない。

no 側は不合格である。図だけでは「異なる」を言えず、不変量が要る。B₃ の可換子 c = [σ₁², σ₂²] で実測したところ、安価な不変量が 2 つとも偽陰性を返した。

不変量 c での値 判定
置換像 恒等 「自明」(誤)
指数和 0 「自明」(誤)
Artin 作用(忠実) 非恒等 非自明(正)

独立な確認として reduced Burau を t = 3, −2, 1/2 で計算し、いずれも単位行列と異なることを確かめた。B₃ で Burau は忠実なので確定である。

PIN 1.5 — 合格、ただし根拠は外部

Artin の自由群作用は忠実なので、語の問題が決定できる。実装して組み紐関係式 σ₁σ₂σ₁ = σ₂σ₁σ₂、遠方可換 σ₁σ₃ = σ₃σ₁ の成立と、σ₁σ₂ ≠ σ₂σ₁ の分離を確認した。

ただし決定性の根拠は図ではなく代数から来ている。図それ自体は同一性判定を持っていない。

PIN 3b — 明確に不合格

Artin 作用による読み出しの実測。像の語長が指数増加する。

入力語長 10 20 30 50 60 70 80
像の語長 21 272 2,225 5,886 70,104 168,675 1,474,709

入力語長 3,200 ではメモリを使い切ってプロセスが落ちた。Garside 左正規形を使えば多項式時間になるが、いずれにせよ計算である。

ここから v1 の重要な修正が出た。同じ表現系なのに、どの正規形を選ぶかで合否が変わった。PIN 3b は表現系の性質ではなく、表現系と読み出し手続きの対の性質である。

その他のピン

判定

組み紐図は片側かつ部分的な読み出し器であり、「計算しない装置」ではない。

v0 からの変更点

全て組み紐図の較正で露出した穴である。思いついた改良ではない。

# 変更 根拠
1 PIN 0 を新設(問題と答えの分離) 「語 → 組み紐」設定で読み出し器が恒等写像になり、全ピンを自明に通過した
2 PIN 3 を 3a / 3b に分割 組み紐図は整形式判定が安く、読み出しが高い。v0 はこの 2 つを混同していた
3 ρ を主軸から降ろす A = Bₙ が無限で ρ が定義できず、片側性も表現できなかった
4 PIN 1.5 に根拠の出所欄 決定性が図ではなく代数から来ており、借り物だった

さらに、部分性に 2 型あること(縮小型と片側型)も v0 にはなかった区別である。

PIN 1.5 を前回追加した判断自体は正しかったと確認できた。図を答えにした瞬間にこのピンが主戦場になる。

prior-art 申告と限界

RT-0 は新しい概念ではない。 既存の判定基準を 1 つの順序に束ねたチェックリストである、というのが正確な位置づけである。

要素 既知の出所
PIN 1 型駆動設計の make illegal states unrepresentable
PIN 3a / 3b 計算量の移送に関する標準的な注意
PIN 4 記述長による表引き排除(Kolmogorov 複雑性の標準論法)
ρ 制約伝搬における探索空間縮小の測り方
読み出し器の発想そのもの 正規形理論、Grothendieck の rising sea

新規性を主張しない。候補側に PIN 6 を課す装置が、自分には課さないというのは通らない。

既知の限界

使い方

適用順は 0 → 1 → 1.5 → 4 → 2 → 3a → 3b → 5 → 6。安い順かつ落ちやすい順である。

最初の 3 分

  1. PIN 0 — 問題と答えを書き出す。答えが入力の転写になっていたら、問題設定を取り直す。
  2. PIN 1 — 具体的な誤答を 1 つ選び、その表現系で書こうとする。書けたらそこで終わり。
  3. PIN 4 — 表現系の定義を数える。インスタンス数に依存していたら表引き。

この 3 本を通らない候補に、残りのピンをかける価値はない。

図や新記号を答えにする場合

A は数の集合でなくてよいが、PIN 1.5 が主戦場になる。

次にやるべきこと

較正集が小さい。というのが当初の穴だったが、埋まった。現在 11 例(合格 3・部分合格 1・不合格 7)。残っている穴は 3 つである。

  1. PIN 6 の baseline 選びが恣意的。 弱い baseline を選べば差分はいくらでも出る。手続きとして固定しないと、新規性の判定が主観に戻る。一番効くのはここ。
  2. 片側性が 3 値しかない。 yes 側・no 側・両側の区別だけで、度合いを測れない。
  3. A が無限のときの ρ の代替がない。

3 つの穴への手当(v1.1 案)

いずれも未検証である。 較正を通していないので、ピンとして採用する前に v1 本体と同じ手続きにかける必要がある。

穴 1 — PIN 6 の baseline を手続きで固定する

恣意性の源は「baseline を候補の設計者が選べる」ことにある。選ばせないようにする。

  1. baseline は選ばず、条件で定める。 対象問題クラス上の公表済み手法のうち、PIN 1 と PIN 4 を通過するもの全体を取り、その合成を baseline とする。合成順序に依存する場合は、可能な順序のうち最良を取る。
  2. 差分は「baseline が落ちるインスタンス集合 D」で測る。 D 上での候補の正答率が差分の定義。D が空なら差分ゼロ。
  3. D は候補を見る前に確定する。 baseline のみから生成し、候補の中身を知らない側が固定する(事前登録)。
  4. prior-art 探索の範囲もログに残す。 検索語は装置の記述と問題クラス名から機械的に生成し、ヒットは全件記録、除外は理由付きで残す。

この形にすると、落ちる条件を先に書ける——D 上で baseline を上回らなければ PIN 6 不合格。

穴 2 — 片側性を連続量にする

3 値を捨て、2 つの量で測る。

理論値 τ(証拠長の非対称性) — c_yes(n) を yes インスタンスに対する最短の整形式証拠長の最大値、c_no(n) を no 側の同じもの(証拠が存在しなければ ∞)として

τ = lim sup log c_no(n) / log c_yes(n)

τ = 1 で対称(両側)、τ → ∞ で完全な片側。組み紐図は yes 側が Garside で多項式、no 側は図だけでは証拠が存在しないので τ = ∞。v1 の 3 値判定と整合する。

実測値 (σ_yes, σ_no)(有界サイズ証拠のカバー率) — 証拠のサイズ上界を固定したとき、各側のインスタンスのうち証拠が書ける割合。較正で実際に埋められる欄。

この構造は NP ∩ coNP の非対称性そのもので、新しい概念ではない。結び目の自明性判定がその実例。

穴 3 — 無限の A での ρ

サイズ関数でフィルトレーションを入れる。A に記述長を定め、A_n をサイズ n 以下の答え、W_n を整形式項が表せるもののうち A_n に入るものとする。どちらも有限。

ρ(n) = 1 − log|W_n| / log|A_n|
ρ*   = lim inf ρ(n)

A が有限なら十分大きい n で A_n = A となり、v0 の ρ に一致する。組み紐なら交差数、多項式なら次数がサイズ関数になる。

ただし ρ* はサイズ関数の選び方に依存する。 問題クラスと一緒にサイズ関数を宣言しないと比較できないので、記録票に欄を足した。

理論的には情報量で書くほうが素直で、I = H(A|問題) − H(W|問題)(ビット単位の削減量)なら無限でも定義できる。ただし計算不能なので実務には使えない。

実測(2026-09-20)

ρ* が退化しないかを、組み紐群で実際に数えて確かめた。A_n は語長 n 以下の相異なる組み紐(Artin の自由群への作用で正準化。Artin の定理によりこれは忠実)、W_n は各読み出し装置による像。

読み出し(B_4、n = 10 まで) 像の型 ρ(10) ρ* の見込み
identity(読み出しなし) 全体 0 0
Burau を t = −1 で特殊化 無限・指数 0.0072 0
B_4 → B_3(σ₃ ↦ σ₁) 無限・指数 0.288 0.372
アーベル化(指数和) 無限・線形 0.767 1
置換(S_4) 有限(24 個) 0.757 1

良い知らせ:ρ* は潰れない。 B_4 → B_3 が 0.372 という中間値を取る。増大率は λ(B_3) = 2.02、λ(B_4) = 3.07 で、1 − log λ_W / log λ_A = 0.372 と一致する。定義は使える。

悪い知らせ:ρ* が見ているのは増大率の比だけである。 両端で飽和する。

手当の手当。 一つの数では足りないので、三段にする。

  1. |W_n| の増大の型(有限 / 多項式 / 指数)
  2. 指数なら ρ* = 1 − log λ_W / log λ_A
  3. λ_W = λ_A なら密度 δ* = lim |W_n| / |A_n|

検算。 B_4 → B_3 の像のサイズ列(5, 17, 47, 115, 263, 577, 1233, 2589, 5371, 11047)が、独立に回した B_3 の球のサイズ列と完全に一致した。Burau 行列は組み紐関係・可換関係・逆元をすべて満たすことを実行時に検査している。

適用 01 — 組み合わせ回路の機械ゲート(C1–C4)

RT-0 v1 をスキル化して最初にかけた対象。結論は PIN 1 で不合格。機械ゲートは判定器であって読み出し器ではない。 これは装置の欠陥ではなく、RT-0 の対象外であることを意味する。

記録票

欄 記入
問題クラス 入力 = 科研費中区分 65 の分野対(2,080 対)、答え = その対を通過させるか却下するか
答えの空間 A 対ごとには 2 値で有限。装置全体としては「通過集合」の選択なので 2^2080
PIN 0 問題と答えの分離 条件付き合格。答えは入力の転写ではないが、「有望」の定義が分野対の属性の言い換えになっていないかは C1–C4 の本文次第
PIN 1 誤答の表現不能性 不合格。規則が通した対が誤っていても、それは整形式な誤答として書けてしまう。誤答を排除しているのは規則の正しさであって、表現系の構造ではない
PIN 1.5 同一性判定 自明に合格。答えが 2 値なので等号は自明
PIN 4 前計算の非混入 条件付き合格。規則は 4 本なので記述長は定数。ただし端子 D(prior art 衝突検出)を端子 C に吸収したので、prior art 照合が外部データベース参照なら実質的に表引きになる
PIN 2 非空性 未測定。v0 は仕様凍結のみで実装は別 STEP
PIN 3a wf のコスト 合格見込み。対あたり定数、2,080 対で線形。実測未了
PIN 3b 読み出しのコスト 合格。ただし利得が小さい。2,080 対は人間が目視できる規模(決定 1 がそう選んでいる)なので、ゲートの利得は時間短縮であって不可能を可能にするものではない
PIN 5 被覆域の明示 合格。calibration_stance = none_by_design_v0 が「この粒度では正しさを測れない」と自分で宣言している。較正 11 例の中でも境界の明示は良いほう
PIN 6 合成との差分 未測定。baseline(Swanson の LBD / Krenn & Zeilinger の link prediction / LLM 仮説生成)は特定済みだが、実際に組んで比べる作業が未了
片側性 両側(通過・却下のどちらにも規則が効く)
誤答空間の縮小 ρ 規則 C1–C4 で指定できる通過集合は 2^2080 のうちごく一部だが、その一部が正答側に寄っている保証がない。縮小は起きているが誤答を消していない
根拠の出所 外。決定性は「答えが 2 値である」ことから来ていて、表現系の内から出たものではない
被覆域の境界 中区分粒度。小区分に降りると対数が桁違いになり、PIN 3b の利得は上がるが人間の ground truth が取れなくなる

この回に出た指摘 2 件

  1. 事前登録予測に下限がない。 「端子 C 通過 100 対未満」は 0 を含む。しかし 0 だった場合の意味は「中区分は粗すぎた」と「ゲートが空(PIN 2 不合格)」で分岐し、前者は小区分へ降りる根拠だが後者は規則の欠陥である。下限も登録しておかないと後から区別できない。
  2. 端子 D の吸収が PIN 4 に触れうる。 prior art 照合を端子 C に入れたことで、規則の記述長が外部データベースのサイズに依存しないかを確かめる必要がある。依存するならそれは前計算+表引きの形で、較正表の「他のピンを全部通る」例と同型になる。

RT-0 自身に出た穴

入口条件がない。 機械ゲートはそもそも読み出し器を名乗っていないので、PIN 1 で落ちるのは当然である。現状の RT-0 はこの区別をつけず、判定器にかけても同じ「不合格」を返す。PIN 0 の手前に「この装置は整形式性で誤答を排除していると主張しているか」という前置きが要る。該当しなければ RT-0 の対象外として返すべきで、不合格とは意味が違う。